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狂っているのはこっちか?あっちか?
 国道沿い。流れていくのは、見慣れたいつもの風景だった。信号で停まってぼんやり見ていた。あれ?なんだこれ・・・。パチンコ屋から出てきたそいつは、隣接している消費者金融のATMに入っていった。ATMといえばすぐに金が借りられるし、それがパチンコ屋の隣にあるのだから便利だ、と思っていた…あれ?便利?それは求めたのか?ありがたいか?
 その日から風景は一変した。国道沿いを走れば走るほど、点在する店舗群は、それらの風景は、不気味な違和感そのものになってしまった。
それは飽き飽きした事件から
 地方のローカル紙をめくっていると気付く。まずは全国的な話題、事件が紙面を賑わす。大きく扱われるそれらの事件は、特殊で派手だ。人々は釘付けになる。もっと派手に、もっと意外な展開にと期待は膨らみ、やはりそうだったか、はたまた、いやはやもう理解の範囲を超えていますな、と納得するまで一定期間それは続く。
 一方その陰で“ささやかな”扱いの三面記事に目をやる。女行員が横領した金を男に貢いでいた、やれコンビニ強盗だ、自殺だ、ストーカーだ、痴情のもつれか金の切れ目か男が女を殺して埋めた。
 “盛り上がる話題の事件”で忙しければ、これらは“ささやかな”順に紙面から漏れていく。残ったとして、飽き飽きされたそれらは、ああいつものあのてのあれねと、考えられることもなく忘れ去られてゆく。まるで大型量販店の広告。激安犯罪、激安事件。
 運が良ければ地方特有、何処何処の誰それさんの知り合いの隣人らしいよと噂が届いて、ほんの一瞬切実になれる、か。
この映画は単なる現実だ
世間を賑わす派手な事件と、“ささやかな”激安事件とと、それぞれの根底にある原因がどれほど違うというのだろうか。
映画「国道20号線」は国道沿いの原色の不気味なネオンに照らされた日常と、ネオンの届かぬ先の闇に映画の光を当て、ひとつに晒す。
Introduction
Highway 20 begins at the Emperor's Palace in Tokyo and stretches west. Once it goes through the capitol into small towns, the scenery is typical of any seen from Japan's highways. Shopping malls, discount outlets, pachinko parlors, ATM loan dispensing machines, karaoke clubs, golf practice ranges and love inns... This is what rural areas look like in modern Japan. A drama takes place in the town of Kofu. It's a small drama about some locals, a drama that could unfold in any Japanese rural town.
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